摂津三島からの古代史探訪

邪馬台国の時代など古代史の重要地である高槻市から、諸説と伝承を頼りに史跡を巡り、歴史を学んでいます

京都・山城

水主神社(京都府城陽市水主宮) 海部氏・尾張氏の十柱の祖神と衣縫の神を併せ祀る和裁の聖地

[ みぬしじんじゃ ] こちらの社叢の姿に感銘を受けておりましたが、交通が不便で駐車場もないということでなかなかお伺いできませんでしたが、ようやく参拝させていただくことにしました。現在はすぐ後ろに高速道路が通るのですが、広大な田園の中にこんもり…

木島坐天照御魂神社1(蚕の社:京都市右京区太秦)~ユダヤ景教との関係が囁かれる秦氏の太陽神と「雷神」のこと

有名な広隆寺や、あの東映太秦映画村のそばに鎮座する、近畿地方に幾つかある「天照御魂神社」の一つです。略して「木島神社」(鎮座地の旧称による)とか、境内社の養蚕神社が有名なことから「蚕の社」などと呼ばれています。 (境内社の養蚕神社や秦氏にま…

宇治上神社・宇治神社(宇治市宇治山田)~みかえり兎と播磨国風土記の゛宇治天皇゛

新年の干支にゆかりのある神社の話題です。背後の仏徳山の裾に上下に並んで鎮座し、宇治川を挟んだ対岸にある平等院と共に、風光明媚な観光地・宇治の重点スポットとなっている二つの神社です。とくに宇治上神社は、最古の神社建築である事が2000年以降の科…

松尾大社(まつのおたいしゃ:京都市西京区)~秦氏の祀った「酒神」の本来の意味が語るもの

当社といえば、とにかくお酒の神様、醸造祖神としていつも語られて、古代史的には朝鮮半島より渡来した秦氏が総氏神とした著名な神社と理解されます。その秦氏は太秦の大酒神社も祀ったとされますから、よほどお酒に縁が有るのかと思いきや、神社によるとそ…

葛野坐月読神社(かどのにますつきよみじんじゃ:京都市西京区)~月神と共に聖徳太子や天鳥船命が祀られる不思議

松尾大社の摂社という位置付けですが、観光名所・嵐山の松尾大社から歩いて5分くらいの距離に独立して鎮座しています。京都には、こちらと京田辺市の月読神社の二つの著名なツキヨミ社がありますが、こちらは神功皇后ゆかりの月延石が有る事から「安産守護の…

石清水八幡宮(八幡市八幡)~宇佐家古伝が語る男山勧請当時のことや放生会の由来

全国的に著名な大神社で、高槻から車で一番近いのがこの石清水八幡宮になると思います。平安京から見て裏鬼門(南西)に位置して京の都を守護してきた神社です。ご利益としては厄除信仰の歴史が長く、平日に行ったにも関わらず参拝者が絶えることなく訪れて…

木島坐天照御魂神社2 - 養蚕神社(こかいじんじゃ/蚕の社:京都市右京区太秦)~八百比丘尼の長寿伝説やハタ地名の伝承

前回「1」では木島神社の「三柱鳥居」とユダヤの関係や「元糺」の所以などに関して記載しましたが、今回は、「蚕の社」の俗称の由来となる境内社、養蚕神社をメインにします。社殿は本殿向かって右に鎮座しています。 【太秦の起源】 秦氏の祭祀する神社の…

月読神社(京都府京田辺市大住)~隼人の山幸彦・海幸彦伝承と海部の火明命の関係が語るもの

伊邪那岐命が右目を洗った時に成り出でた神で、天照大神、素戔嗚命とあわせて三貴子の一柱ですが、記紀でもあまり出てこない謎の神様、月読命が祀られている、京田辺市の方のツクヨミ社です(安産祈願の月読神社は京都市の方です)。当社は南九州(大隅など…

岡田鴨神社(木津川市加茂町)~賀茂氏と同時に山城へ移ったらしい秦氏のこと

大和の鴨(鴨都波神社、高鴨神社等)と京都の賀茂(通称上賀茂神社、下鴨神社)とのつながりを思う時、キーになるのがこの南山城に鎮座する、「延喜式」式内大社の岡田鴨神社とされます。ご祭神は加茂建角身命で、一般に山城賀茂氏、葛野鴨県主の始祖と言わ…